4日目:カラクリ湖一日旅
今回のシルクロード旅行で特に行きたかったところの一つがカラクリ湖です。
カラクリ湖はカシュガル市内から200キロ程の場所に位置しており、先を進むとカラコルムハイウェイに続きパキスタンとの国境まで行くことができます。
海抜3600メートルの場所に湖があり、そこから7000メートルクラスの山を見ることができるのです。日本では3776メートルの富士山が一番高い山であることを考えるとスケールの大きさを感じさせてくれます。
それほど多くの観光地へ行ったことのない私ですが、個人的には日本の尾瀬の次に好きな場所になりました。(比較対象になるものもありませんが・・)[参考] 尾瀬の風景
■ 出発前の準備-交通手段の確保
カラクリ湖へはもちろん観光バスなどもないので自分で車をチャーターしなくてはなりません。幸い私はホテルでお店をやっていたウイグル人の男性と交渉して一日コミコミで500元(当時のレートで7,000円)でお願いしました。
あとは出発の時間を話し合って終了です。
中国国内で200キロというのはあまり遠い方ではありませんが、山道をひたすら走るので丸々一日かけての行程です。なので朝も6時過ぎにカシュガル市内を出発することにしました。
では、細かい説明は抜きにして写真とともに解説してゆきます。
いざ出発!カラクリ湖へ!
カシュガル市内から車を20分ほど走らすとすぐに郊外に出られます。
ここは中国なのですがウイグル族が全体の9割を占めているので街の様子も中国の東側の地域と全く異なります。
ガソリンスタンドへ給油に来ている人。町の店が固まっている所を離れるとほぼ畑です。
朝の7時頃の光景です。
丸くて硬いパンがこちらの人たちの主食なのか、よく見かけました。1個数元だったので私も買ってみました。
ここを過ぎると荒野のような場所に入っていきます。
一応電線は通っています。
運転手さんも撮影スポットを知っているらしく所々で車を止めてくれます。
本当に日本では全く見かけないような風景ですよね。
再びひたすら車を走らせてゆくと・・
おお、道が分断されている!
河の増水が原因なのかよく分かりませんが、多分やっつけ工事だったのでしょう・・
標高が上がるにつれて山の形が変わってきているのが分かります。点になっているので少し見づらいですが、こんな所にも民家が点在しているようです。それで電気が通っていたんですね。
途中にトイレ休憩で寄った所には売店や食事ができる所がありました。
ウイグルの地域にもモンゴルのゲルのような形式の家があるんですね。こちらは移動式ではなくて固定してあります。
さらに走ってゆくと山に雪が残っている場所まで来ました。(9月の初旬です)
ここまではひたすら上に登ってゆく感じだったのですが、目的地が近くなるに連れて段々と道が平坦になってきました。カラクリ湖へ到着する前にもう一つ撮影スポットがあるので車を停めることにします。
たまたま会った家族(?)の人たち。
ヤギの放牧のために来ているようです。さすがにここでは一年を通して暮らすことができないので、恐らく夏の期間だけヤギを放牧しに来ているのでしょう。
標高が高いせいか、皮膚の浅黒い人たちでした。私の個人的な印象としてはウイグルというよりかはチベットの方の顔つきなのかなぁと思いました。ウイグル族とひとえに言ってもさらに様々な種類の人たちがいるようですね。
ここはまだカラクリ湖ではありませんが美しい山を発見しました。
この山は白く写っていますが雪ではありません。見た目からして白亜なのかなぁと思いました。砂漠のような、雪のような山がなんとも印象深かったです。
私にとっては特別な一枚となりました。
さらに車を走らせてゆくと今度は本当に移動式ゲルのような物を見つけました。こちらの主人が家に入るように強く勧めてきたので入ってみると・・
しきりに石を買うように勧めてきます。私は石に価値があるのかただの石ころなのか全く見分けがつかないので一番安い10元の石を買ってあげて引き上げることにしました。
やっとカラクリ湖へ到着!
標高3600メートルに位置するカラクリ湖は9月上旬でしたが肌寒かったです。空気も若干薄い感じがして意識して深呼吸することが多い気がしました。
何よりも景色の美しさは絶品です!
残念ながらカラクリ湖から標高7500メートルの山の頂きは見えませんでしたが8合目くらいまでは見れたので大満足です。
なんとも美しい。
・・と思っていたら横では石を売っています。
きっとどこかで適当に拾った石を売っているのでしょうね。かくいう私も20元できれいな「ガラス球」らしき物を買ってしまいました。
こちらも有料で馬に乗せてくれます。「安くするよ!」としつこく付いてきましたが、特に馬に乗る理由などなかったのでスルー。
帰りには羊肉のスープと硬いパンを食べてカシュガル市内へ帰ってゆきました。
今回の総評
今回の旅の目玉だけあって気合を入れて行ったのですが、予想以上に感動したのを覚えています。
カラクリ湖だけでなくその道中は日本や中国の大部分の地域では味わうことのできない経験ができたと思っています。時間もお金もないので二度目に行くことはないと思いますが、もし行けるのであればカラコルム・ハイウェイを抜けてパキスタンのフンザまで足を伸ばしたいと思っています。